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日記

想い出について

7年前まで住んでいた街に行ってきた。

とんかつ屋で昼食をとったあとに電車に乗りながら同人誌の構想をまとめようと考え、特段の目的地も無く電車を乗り継ぎ、気がつけば横浜駅にいた。

横浜駅で下車し、この先どこに向かうかぼんやりと考えていた時に7年前まで住んでいた街へ続く私鉄の看板が目に入った。本当に無目的なお出かけだったのでまぁ久しぶりだし行ってみるかと思ったのである。

降り立った駅には再開発が進みあまり住んでいた当時の面影は無かった。とりあえず昔住んでいた家でも見てみるかと考えながら街を散策し始めた。
街は記憶と同じところもあれば違うところもあった。地主の大きな屋敷は洋風の邸宅に変わっていた。何度か行った焼き鳥屋は7年前と変わっていなかった。曖昧な記憶ではアパートが建っていた場所は空き地になっていた。住んでいたマンションは特に変わってはいなかった。

あそこは同じだ、ここは変わったと記憶と現在を比較しながら歩いているうちにあることに気が付いた。
「懐かしい」という感情が一切無いのである。
街へ向かう電車に乗っている時は街につけば懐かしい感情が湧いてくるのだろうなとぼんやり予想をしていたが、それに反して「あそこは同じだ、ここは変わった」という記憶との照合をするばかりで7年前まで8年間に渡り住んでいた街に久しぶりに来たというのに全くと言っていいほど自分に感情の動きが無いことに少しばかり驚きを感じた。

普通であればその場所と紐づけられた喜びなり悲しみなりの記憶とともにセンチメンタル想い出に浸る感動の一つも覚えていいと思うが。そう考えこの「懐かしさ」の無さの理由を考えてみた。

一つ目は7年という期間の問題だろうか。7年間という時間は「記憶」が「想い出」になるまで熟成されるには短すぎるのかもしれない。これが10年であればまた違った感慨を抱いたのかもしれない。7年ぶりに来た街はまだ「懐かしい景色」というより「見慣れた景色」という方が近いような気がした。
二つ目はこの街との縁の薄さだろうか。この街から引っ越した7年前のさらに8年前に中学2年生だった私はこの街に引っ越してきた。当時の私は2年間で2回の転校を経験しかなり屈折しており、この街の中学校で友人をつくることを拒否し、学校が終われば家でひたすらゲームをするという暗い学生生活を送っていた。そのためこの街の中で友人と遊ぶといったような事は全くと言っていいほど無かった。その後は隣の自治体の高校に通い専門学校も横浜の中心部にあったため、この街はの存在は完全に「通学路の一部」以外の何物でもなかった。

そんなわけで想い出の無い街を無感動に散策したのち、その近郊にある昔飼っていたモルモットの眠るペット霊園へ参拝し、そこで少しだけペットとの思い出に浸り現在住む町へ帰還した。(意図して行った訳ではないが今年でちょうど13回忌だった。)

帰りの電車に乗りながら考えた。ほぼ感動の無かった街の散策だったが、あの街に住んでいた間も場所と紐づいていないだけで想い出に相当する出来事は沢山あったはずである。
日常の嬉しかったことや悲しかったこと、そういった小さな想い出を二度と思いだせないことは寂しいことだと。
数年たってそんなこともあったなーと思い返せればいいなと思い、ブログ始めることにしました。

想い出について_f0389917_21031751.jpg

…あと、ツイッターの凍結が怖いので普通に同人活動の新たなPR場所を確保しておこうという理由もあります。
絵とか旅行記とか投稿しようと思うのでよろしくお願いします。

なお写真は画像UPのテストで上げただけで本文と一切関係の無い2重露光しちゃった猫の写真です。

by satsuki-afterlife | 2017-11-14 21:12 | 日記

園橋乃義/サークルわぁにんぐぴゅあ(無印)のブログ


by 園橋乃義
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